日本の「打ち水」文化は世界と未来に繋がっている
連日、30度を越える日が続いていますね。
体感温度を少しでも下げるために工夫していることは何かありますか。
私は、日傘や帽子、携帯できる小型の扇風機などのアイテムを駆使して、屋外での体感温度を下げる工夫をしています。
他にも体感温度を下げる工夫はあるかと思いますが、そのひとつ、日本で昔から行われている文化「打ち水」をご存知でしょうか。
よく、夏になると、道路に柄杓で水を撒いているのを見かけたことはありませんか。
その「打ち水」を東京都ではプロジェクト化していることを知りました。
今回は「打ち水」について、過去から今、そして未来に向けて、紹介したいと思います。
打ち水の歴史
打ち水は、今では道路や庭先に水を撒いて、涼を感じる夏の風物詩となっています。
その始まりは、神様が通る道を清める、という意味合いがあったそうです。
戦国時代から安土桃山時代にかけて「茶の湯」が確立し、打ち水は茶道の礼儀作法のひとつとなりました。
茶道では、お客様をお迎えする準備が整った際、気持ちよく中へ入っていただきたい、という心遣いを込めての打ち水は作法だったそうです。
江戸時代になってからは、浮世絵に描かれるようになり、当初のお客様を招くおもてなしの行為と、涼を得る文化として広まっていき、現代にまで受け継がれたようです。
令和は「打ち水大作戦」
そして現代、東京都環境局が発信する「打ち水日和。」というページで、熱中症対策やヒートアイランド現象解消のため、打ち水や打ち水イベントに参加しよう、と呼びかける活動を行っています。
そのひとつの活動が「打ち水大作戦2022」です。
打ち水大作戦とは、みんなで一斉に水を撒いたら、真夏の気温が下がるかを検証する目的で、2003年に社会実験プロジェクトとしてスタートしたそうです。
2022年のミッションは、7月23日から8月23日処暑まで晴れたら毎日打ち水をしよう!
https://uchimizu.jp/ より
8月4日(木)はみんなで打ち水をしよう!
今年2022年はこれをミッションに開催されます。
上記にあるように、8月4日(木)は、みんなで1日中、打ち水の日!だそうです。
①1日中打ち水大作戦
みんなで朝から夕暮れまで、それぞれ好きな時に好きな場所で水をまこう。
②乾いたら撒け!
打ち水は気化熱で気温を下げるため、撒いた水が乾いたらそれ以上気温は下がらないそうです。なので、乾いたら撒く、その気合いで撒こう。
③その日の気温を下げろ!
天気予報の予想気温を指標に、みんなでこの日の気温を下げよう。
④SNSでシェア
FacebookとTwitterで、打ち水をしたら、#打ち水大作戦でSNSで投稿しよう。
これらが8月4日のミッションだそうです。
「水よ届け」その先を想いながら打ち水で涼を楽しもう
令和版「打ち水の作法」をいくつか紹介します。
・大切で安全な水を賢く使うためにも、水道水だけではなく、衛生面に配慮していれば、お風呂の残り湯、雨水を使うのもよい。
・交通量が多い道路での打ち水は、撒く方も運転する方もお互い事故に気をつけよう。
・イベントに参加する際は、ソーシャルディスタンスを保ち、共有する道具は都度消毒をするなど、衛生面に配慮して楽しもう。
詳しくはこちらをご覧ください。
そして、現代の「打ち水」は、世界の水を必要とする人々への希望となるそうです。
水の源となり、大地を潤すのは雨。その雨を、この打ち水が創り出すのです。
水の源となるのは、大地を潤す雨です。
https://uchimizu.jp/water/ より
私たちが目にしている水は、太陽エネルギーで蒸発し、
空の上で雲となり、そして雨となって再び降り注ぐもの。
(中省略)
打ち水もまた、蒸発しながら、大地を冷やし、いずれ雲となり、
雨となって大地を潤すこととなります。
今年の夏は、世界で暮らす人々の安全と健康、私たちの未来を想い、作法を守りながら打ち水デビューしてみませんか。
<参考>
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