「建築×自然」SDGsを推進のために建築家にできること

           
        「建築×自然」SDGsを推進のために建築家にできること

自然に優しい設計と長期的に利用可能な設計

1997年に京都議定書が採択されてから早20年余り。
そのころからオゾン層の破壊の問題やCO2の排出削減への意識が、世間的にも浸透し始めたタイミングなのではないでしょうか。
そして2000年のMDGs(ミレニアム開発目標)、2015年にSDGs(持続可能な開発目標)と自然について取りざたされています。

藤森照信展
引用:artscape ようこそ、藤森王国へ──「藤森照信展 自然を生かした建築と路上観察」

今回、私が取り上げるのは建築と自然についてです。
私は建築士として都内の都市開発だけではなく、オフィスインテリアの仕事をしていますが、建築業界に携わる人でSDGsはあまり馴染みがないように思われます。

そこで、SDGsの中でも自然問題に対する目標と建築の関係性、そして建築家はこれからどのようなことを考えるべきかということを紹介していきます。

建築が自然に及ぼしている影響とは?

建築とSDGsを自然という観点で、SDGsの15番目の「陸の豊かさも守ろう」に重きを置いて考えていきます。

技術の発展で鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造(S造)、もしくはそれをかけ合わせた鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)というのが、建築の主流となっています。
その建築物には、砕石・砂・水・鉄・木材など陸上資源が主に用いられ、各地で新しい建築物が建てられるたびにその資源が使用されています。

また、建築は建てるだけでは終わらず、古くなったら壊してまた新しく建てるというスクラップ&ビルドという考え方が当たり前とされていました。
つまり、造るときには資源を使い、壊すときには大量の廃棄物が発生しているのが現状。

ということは、建築物を造る回数を減らせば自然と資源を使うことが少なく済み、いいものを造れば壊す必要が少なくなることにもつながっていきます。

建築家はこれからどうすべきか?

鬼石多目的ホール
引用:PANDA Chronicle 妹島和世設計「鬼石多目的ホール」

スクラップ&ビルを減らすために長期的に利用できる優良建築物や自然に配慮した設計が、SDGsの目指す陸の豊かさを守る建築物ということになるのではないでしょうか。

しかし、建築現場に携わる人は、「安全と品質!工事を受注したらその通り造る」というを考えながら仕事をしているのが現状です。

つまり、建築業界で自然に配慮することができるのは、設計する建築家。

私が知っている自然に優しい建築家といえば、世界でも活躍する藤森 照信(ふじもり てるのぶ)氏や妹島 和世(せじま かずよ)氏が思い浮かびます。この2人に共通しているのは、建築家として設計し始めたときから自然や街並みに配慮した設計をしていること。
まちづくりを通して、まちの人が長期的に利用できるようことや、敷地には多くの自然を配置したり、建物の省エネルギー化を考慮した設計をしています。

この先建築家として活躍していくためには、2人のように自然との共存を考えられる設計ができるかどうかが重要になってくるのではないでしょうか。

地球に優しい建築家が増えることが、SDGs推進につながる

かっこいい建物を造りたい!という想いで建てられ、誰も使わなくなり壊されている建物はたくさんあります。
そういった観点も含めて、自然に優しく世の中に価値あるものを提供できる建築家がたくさん増えることが、SDGsの推進につながるのではないでしょうか。

100年住宅というのは当たり前の時代。
住宅に限らず、これから造られるビルや商業施設など多用途の建物が、100年以上利用されるようなものであること。そんな建物がたくさん増えることで、SDGsの達成に結びついていくのかもしれません。
もっとSDGsが浸透していって、世の中にたくさんの”SDGs建築家”が増えてくることが楽しみです。